信仰の実践

信仰の実践

真実の幸福とは
人は、苦しいことや悲しいこと、また困難なことに遭った時、それを解決し克服する方法について思いをめぐらしますが、世法による解決法を見つけることは容易ではありません。仏法では、生・老・病・死など人間だれもが直面する人生の本質的な苦悩を根本的に解決する道を説き示しています。そして、その本質的苦悩を解決せずして、真の幸福はありえないと説いています。真の幸福とは、因果の道理をもととした正しい信仰によって、健全な生命を確立し、深い智慧と強い心を養うことによってもたらされるものです。どのようなことにも、けっして揺らぐことのない安穏な境界、それが真実の幸福なのです。

信仰の実践
日蓮大聖人様は信仰を実践するに当たり、信・行・学(しん・ぎょう・がく)という3つの大切な意義を示されました。
 1)信 ・・・ 御本尊に対する絶対の信仰心
 2)行 ・・・ 信仰を確立するための修行
 3)学 ・・・ 日蓮大聖人の仏法を正しく学ぶこと
このうち「行」には、自ら南無妙法蓮華経の題目を唱えていく等の自行(じぎょう)と、他の人々に仏法のすばらしさを伝えていく化他行(けたぎょう)があります。 個人や家族の幸せはもちろん、社会の浄化などは、正しい御本尊に対する信・行・学の実践によって得られるのです。

現在、日本国内をはじめ、世界約50ヵ国に日蓮大聖人の仏法を信仰する人々がいます。 日蓮大聖人様は、多くの人が妙法を信ずることによって、真の世界平和が実現すると教えられています。 日蓮正宗の信徒は、この信仰をもとに正しい人生観を身につけ、世界の各地において希望と幸せに満ちた日々を送っています。

寺院の意義

日蓮正宗には、総本山大石寺のほか海外を含め、全国各地に700を越える寺院等があります。これらの寺院は、いずれも日蓮大聖人の仏法を、その地域において正しく守り伝え、弘めていく大事な意義をもっています。 また寺院は、仏・法・僧の三宝がそなわる信仰の道場であり、参詣する人々に真の成仏の道を教え、先祖の追善供養をおこなうなどの役割を担っています。 日蓮大聖人の仏法を信仰する人々は、日蓮正宗の寺院に参詣し、正しい教えを聞くとともに自らの信仰を磨いていくことが大切です。

法華講

日蓮正宗には、日蓮大聖人の仏法を正しく実践するための信徒の集まりとして“法華講”があります。 法華講という名称は、大聖人様によって名付けられた由緒あるものです。 日蓮正宗の信徒は、この法華講の一員として、所属する寺院に参詣し、僧侶の法話や講員同志の体験などを通じて自らの信仰を深め、社会に貢献する人材になるよう努めています。

唯一の教え法華経

釈尊が残されたお経は、説かれた時期によって5つに分けることができます。
これは仏教用語で「五時ごじ」と呼ばれ、それぞれ「華厳時けごんじ」「阿含時あごんじ」「方等時ほうどうじ」「般若時はんにゃじ」「法華ほっけ・涅槃時ねはんじ」といいます。 その中でも、72歳から御入滅までの8年間にわたる「法華・涅槃時」で説かれた法華経こそが、釈尊が最も伝えたかった最高かつ唯一の教えです。

末法の御本仏として出現された日蓮大聖人様
さまざまなお経で説かれている、釈尊の御入滅後は、正法時代、像法時代、末法時代という3つの時代が来るとされています。 正法時代とは、釈尊の教え・修行・悟りが正しく具そなわり、仏道を求める衆生(この世に生きるすべてのもの)も過去に善根を積んでいたので、 釈尊の教えによって悟りを得ることができた時代。像法時代とは、釈尊の教えや修行がわずかに残ってはいるものの、悟りを得ることができず、形だけが正法に像にた時代。 末法とは、人心の悪化や天災が相次ぎ、釈尊の教えでは人々が救えなくなる末世法滅(まっせほうめつ)の時代です。 この3つの時代の長さは「正法千年」「像法千年」「末法万年」とされています。つまり、釈尊の御入滅から2000年が経つと、末法時代になってしまうのです。 末法時代には、上行菩薩をはじめとする地涌の菩薩(無数の菩薩)が法華経の肝心を弘める使命を持って出現され、 さらに、上行菩薩は凡夫(普通の人間)の姿をした行者であると法華経では示されています。また、その人物は法華経の肝心を弘めるがゆえに数々の迫害や命に及ぶ難に遭うとされ、 その予言そのままに示されたのは日蓮大聖人様ただお一人なのです。